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基底関数として「グローバルな」関数を選ぶことをスペクトル法という。
全球モデルでは球面調和関数
(東西方向には三角関数、南北方向にはルジャンドルの陪関数),
領域モデルでは三角関数が選ばれている。
係数のことを波数、その世界のことを波数空間などという。
さらにスペクトル法では適当な関数を選ぶと
とすることができる。これらを代入して
となり、線形項の空間微分がなくなって左辺は直交基底の係数だけの計算となる。
時間微分については普通は適当な有限差分で近似する。
右辺の非線形項については、基底関数を代入して展開してしまうと計算量が膨大に
なるので、代入せずに計算した値に基底関数をかけて積分するという手法を用いている。
これを変換法という。
スペクトル法について基本的な解説は、および全球モデルについては金光ほか(1982)
[3]、領域モデルについては巽(1986) [7] がよい。
スペクトル法の最大の利点は、やはり空間微分を含まないことであろう。
空間差分による誤差や非線形不安定のようなものもない。
欠点としては、境界条件に対して柔軟でないことがあげられる。
このため気象庁の領域スペクトルモデルでは、境界条件を満たすための
「準基底」が導入されている。基底と準基底を併せて「拡張基底」と呼んでいる。
NCEP の領域スペクトルモデルでは、全球モデルとの差だけを予報するという手法で
境界条件の問題を回避している(Jung and Kanamitsu, 1994 [20])。
スペクトル法の
の決め方について触れておく。
線形移流方程式
をスペクトル展開すると、波数毎の方程式
が得られる。これを
と差分化する。von Neumann 法を用いると、増幅率を
として
ここで
である。よって
つまり
ならば
となって中立であるから、
安定条件
が得られる。これが各波数成分について成立するので、結局スペクトル法の
CFL 条件は、最大波数を
として
である。
格子点法の CFL 条件と比較すると格子間隔
に対応するのが
であることがわかる。